トイター教

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トイター教(有:Toitaasakt、理:Toytar)とは、ハタ王国やユエスレオネ連邦で多数の人に信仰される民族宗教である。万物の存在要因であるとされる唯一の神(有:aru, armrei)の存在を信仰し、その神の定めた様々な規範に基づいて生活し、高みを目指す(イミル)ことを目指す一神教。人々の生活を規定し、敬虔なトイター教徒であり続ける最大の方法として唯一の預言者であるトイター=ハグナンスケが直接後継者に指名した王家であるスカルムレイを中心に国家が構成される[1]

名称

日本語では「トイター教」と訳される。彼らの自称では"Toitaasakt"(トイターサクト)であり、日本語に直訳すると「トイターの宗教」となる。「トイター」は創始者であり預言者とされるトイター=ハグナンスケに由来している。ほとんどの派閥ではこの「トイターの宗教」という自称を容認している。リパライン語ではユーゴック語の"Toitaa"が音訳され"toytar"(トユター)と呼ばれるか、人名としての「トイター」と区別する場合は「トイターの宗教」という意味合いで"Tvasnarl'd toytar"と呼ばれる。

信徒数

トイター教徒の数はハタ王国内では1.4億人ほどと見られている[2]。ユエスレオネ連邦では、正確な数は不明だが移民ユーゲ人やデュインにおけるユーゲ人に主に信仰されている。その数はリパラオネ教に匹敵するとされており、各地に宗教施設が存在している[3]

派閥

トイター教には以下の派閥が存在する[4]

  • 原理派
    • アッタクテイ派
    • アールタクテイ派
    • アチェミル派
    • ミール派
  • 新生派
    • クントイタクテイ派
    • ミョゲル派
    • ズィルコ派
    • ククテイ派
  • 統一派
    • シーナリア派
    • 南シーナリア
    • 北シーナリア
    • クナデアシーナリア
  • 呪術派
    • テリーン派
    • 蜘蛛十字派
    • チェクセル派

教義

トイター教における基本理念の整理とその応用による法学(共生法、有:toktansormyooras)はハタ・スカルムレイ王朝の成立から発展を始めたが、これらの教義がより発展するようになったのはトイター暦1000年頃以降のスステ=スカルムレイによる絶対王政(スステ政治)が敷かれてからであるとされている。教派対立の中ではトイター教のそれぞれの派閥が理念を磨き上げる形で教義を洗練させた。以下では基本的にはアッタクテイ派の教義を中心に紹介する。

預言者(クテセ)

唯一神であるアルムレイからの教えを受け取り、それを人類に伝える使命を持った「預言者」の存在を認める。トイター教では神の言葉を伝える人間としての預言者は教祖であるトイター=ハグナンスケ以外には居ないとされており、この後にも先にも預言者は出現しないと考えられている。

ディアン

ディアン(有:dian)はユーゴック語で「理由」「根拠」を意味し、何物もその存在を規定するものはアルムレイの存在であり、そこに依存するという考え方である。ディアン論からは、特別に人間に関して定められたものも存在しており、これを「トイター法学」と呼称する。これに反することは自己存在が否定されると考えられている。

イミル

先述の「ディアン」には二つの段階があると後世のトイター法学者により位置づけられている。そのもっとも頂点に君臨する究極のディアンが「イミル(imir)」である。"imir"はもともと「持論」という意味を持っている。第一段階が特に跳躍を求めずに、神の定めたディアンに従って生活をし生涯を全うすることである。これを果たしたものは死ぬと同時にイミレホナル(imirehonar, イミルを果たしたもの)になる。普通に生活するうえでのイミルとしては、一日の生活の仕方、葬式・結婚などの儀式、幾つかの祭や祭事などを真面目に取り組み参加することなどが決定されている。第二段階では新たなイミルを見つけることにある。神が最初に定義したディアンより自然的に発生した新たな理論は人類にのみ自覚し、発見できるとされており、これもイミレホと言われる。これを果たすと生きたままイミレホナルとなることができ、その後の生活態度に関わらず、安定した生活ののちに死期を迎えることができる。それに対して、イミルを果たさなかった者は「存在否定」をされる。これは論理的には神が別個に定めたディアンに反しているものは人間とは認められないということであり、神の名をもって存在がなかったことにされる。存在否定に処され丸ごと消滅する際にはその予兆として激しい病とひどい吐き気に侵されると考えられている。これらの教義は派閥によって表現方法が少しずつ違っている。

アチェミル

神はトイターに世界の普遍真理を言葉にして授けるとき、ある一つのイミルを渡してトイターに最初の人間によるイミルの取得をさせた。その結果生まれたのがアチェミルである。

achemirはトイターが生前に得たとされる教義や信念を指す語です。トイター教では、クルアーンにあたるような預言者の行動を文献で直接追う手段がないため、生前の彼を直接知る信者たちの演説や説教や著述を参照するしかないらしいですが、その中でも、(おそらく「演説者である私はこう考える」の形式ではなく)比較的「預言者はこう言った」みたいに語られることが多い説教や演説を指します。
―KPHT=YY

三行六信

ディアンの一部である「人間の存在規定」の体系化が古代より進められてきた。その中で現在最も知られている法体系モデルが「三行六信」である。 三行六信では人間が行うべきものを三つに、信じるべき普遍真理を六つにまとめている。

三行

  • 観察
  • 信仰
  • 感謝

「観察(kensodis)」は人間は孤立して生きることは不可能であり、常に周りの世界に対して何らかの行動をとる必要があると定めている。 「信仰(zirkodis)」は読んで字のごとくで神の存在を信じ、その偉大さを讃えることである。アプローチの方法はまた別途に礼拝の仕方として定められている。このほかにもトイタネインなどの祭事によっても行うことができる。 「感謝(kamsamdis)」はより身近な自分の媒体への感謝と称賛をする。基本的に両親などの先祖や恩師などに対する敬意である。もともと「仲間、隣人への感謝」から来ている。

六信

六信は学者たちの提唱した独自の合成語が命名されている。

  • アルモテキャムン(armotekyamn)
  • ラーシミレホディス(raaosimirehodis)
  • サメヨズィルコディス(sameyozirkodis)
  • メピデヨルヤルザディス(mepideyoryarzadis)
  • シェターンツェーナディス(syetaantseenadis)

アルモテキャムンは「すべての物はいずれ滅ぶ」という意味合いを持つ。事物には永久性がなくそれらはすべて神に起因している。 ラーオシミレホディスは「正しきイミレホ」という意味合いを持つ。ここでいうイミルの段階については学者によって扱う範囲が違ってくるが、第一段階であるというのが多数派である。これについては不信仰者や偽の信仰者に対しては容赦がないという意味である。 サメヨズィルコディスは「罪人の信用」を表す。実際の意味はこれの否定であり、罪人は信用されるべきものではないとするものであると同時に、それらに対しては天誅が下るという教えでもある。 メピデヨルヤルザディスは「子子孫孫」「子孫繁栄」を意味し、人類に与えられた能力として生殖機能を讃えている。生物学上では人間を含めすべての生物は個体を作り数を増やすことができるが、トイター教世界ではそれを人間にのみ正当に与えられたとしている。 シェターンツェーナディスは「贅沢の破壊」を意味する。「贅沢は身を滅ぼす」ということであるが、トイター教では飲酒などの行為を全面的に禁じているわけではなくあくまで進んでやるべき行為ではないと定義している。 ここだけ見ると合成語として定義されている普遍真理は五つしかないように感じられるが、このほかに神の存在が入れられ「六信」とされる。

偶像崇拝と芸術

偶像崇拝と芸術 トイター教では「人類が創りだす偶像には神も何も宿っていない」とし、偶像崇拝を意味のない行為として禁じている。人々が礼拝をする際には神に通じる手段として儀式・祭事が整えられ、イルキスとズィルケタが成立した。 しかし、スステ政治以降の教育方針によって崇拝を禁じつつ新教徒(子供や改宗者)に自らの宗教の成立経緯などについて理解を進めるため、トイターが預言を受ける様子が教育的に描かれ、これらはハケホブェムンとして芸術に発展した。このハケホブェムンからより詳細な神や預言者についての理解を広めさせるために有字による抽象芸術が発達し、さまざまな書体が生まれた。メシェーラという筆はもともとイルキスで勤勉をするシャスティの為の者であったが後に芸術用として用いられはじめ「ユーゴック語書道」あるいは「トイター書道」「王国書道」として発展した。この時に生まれた書体にアルムレイン体やププーサ体がある。

脚注