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2024年9月10日 (火) 14:02時点における最新版
アイル語はアイル共和国において最大の母語話者集団を持つラネーメ語族の膠着語で、アイル共和国およびPMCFの公用語である。主にアイル化された筆記体リパーシェの一種であるアイレン・リパーシェで記述される。
同じラネーメ語族のタカン語、パイグ語、バート語などとは語彙の多くを共有しており、格接辞や語順といった文法事項を把握すればラネーメ語族の話者には比較的理解しやすい言語である。
一方で、ラネーメ語派の中では早くからリパライン語と接触していたため、リパライン語からの借用語が多いことも特徴である。
概要
アイル至上主義を採用していたヴェルガナ・トゥワイ・ズュザ政権下での調査ではアイル語話者は75%に達していたという記録が残っている。しかしこの調査には回答選択肢や集計といった部分に疑義が呈されており、実際には、母語話者はアイル総人口の三分の一前後であろうと思われ、第二言語や第三言語としている話者も含めるとアイル語話者は6割ほどと推定されている。
しかしながら、それでも依然としてアイルにおいて東島通商語と並んで重要なリングア・フランカであることには変わりなく、これは別語族であるリパライン語の語彙を基本とする東島通商語よりも、同じラネーメ言語であるアイル語の方がラネーメ語族の話者にとっては母語により近かったことが要因と考えられている。
こうした事情はアイル共和国における新聞や書籍の発行部数ランキングの上位を東島通商語とアイル語のものが占めていることなどにも表れており、ほとんどの主要な新聞各社は東島通商語とアイル語の版を備えている。
文法
語順はラネーメ語族に一般的なSOVであり、時制・相・法といったものは動詞に接尾辞を付けて示すという点は一般的な膠着語と同様である。格も名詞に接尾辞か後置詞をつけることによって示す。
ただし、格配列(alignment)は非常に特徴的であり、他動詞の主語と目的語を接辞によって区別せず、それらと自動詞の主語を区別する二重斜格と呼ばれる格配列を持つ(S≠A=P)。
単複を厳密に区別する言語ではないが、名詞を畳語にすることで複数形を作ることができる。
方言
大移動前にはアイル語の話者の分布地域はラネーメ共和国全体に散らばっていたことから多くの方言が存在していた。しかしピリフィアー暦2000年以降の現代になると大移動とそれに伴う混乱によって多くの方言体系がすり減りや母語話者の減少を引き起こし、新たな共通方言が形成された。
アイル共和国などのPMCF諸国およびユエスレオネ連邦などの各国の教育機関において教えられている「アイル語」は、この新たな共通方言である。
文字
a-zの26文字にdzを加えた27文字の基礎字母に、ダイアクリティカルマークである^と'を付したs^,t^,k^とs',t',k',p'を加えた34文字のアイレン・リパーシェを用いる。大文字小文字の区別はない。また、dzはリパライン語などからの借用語にのみ用いられる。vh,fhはない。
また、アイル語では手書きと印刷物の両方で筆記体が最もよく用いられる。碑文体や書写体といった他の字体は、看板やロゴ、芸術作品といった比較的限定された用途に用いられる程度である。
他のラネーメ語族の言語との差異
アイル語独自の特徴としては、上で述べたように格配列が特異なことがまず挙げられる他、円唇性を持つ子音に比較的富んでいることが存在する。
パイグ語
孤立語であること、語順がSVOであること、単語が単音節で声調を有することなどの差がある。
アイル語話者がパイグ語で会話するのは難しいとされているが、パイグ語話者がアイル語を理解するのはそれに比較して容易であると言われる。
タカン語
豊富な助動詞により相や方向性・敬意といった様々な要素を表現できることや、それらへの接続や順番が複雑に関係していること、特殊モーラを除いてアイル語より厳密に(C)Vの音節構造であることなどの差がある。
語彙はアイル語のものと同根なものが少なくない。
バート語
時制や相などの動詞のパラダイムには共通する部分が存在する一方で、動詞と名詞の活用には多くのクラスと形が存在することや有気無気の対立、瞬間動詞と状態動詞のアスペクトの対立、そり舌音を有するといった差がある。
数体系
- 1: asi
- 2: iku
- 3: umi
- 4: nami
- 5: suna
- 6: niku
- 7: misa
- 8: iki
- 9: naku
- 10: mita
- 11: mita asi
- 12: mita iku
- 20: iku mita
- 30: umi mita
- 100: kita
- 200: iku kita
- 1000: umu
- 2345: iku umu umi kita nami mita suna